年末になると必ずテレビで目にする日本レコード大賞。
1959年に始まったこの賞は、日本の音楽シーンを代表する大きな賞として知られてきました。
でも最近は「選び方がおかしいんじゃない?」という声をよく耳にしますよね。
今回は、日本レコード大賞の決め方から審査基準まで、気になる疑問を徹底解説していきましょう。
日本レコード大賞はどうやって決まるの?
まずは、日本レコード大賞の選考方法について見ていきましょう。
実は、大賞を決めるまでにはいくつかのステップがあるんです。
日本レコード大賞が決まるの選考のステップ
レコード大賞を決める第一歩は、優秀作品賞の選考から始まります。
その年発売された曲の中から、まず「優秀作品賞」として約10作品が選ばれます。
選考委員と呼ばれる専門家たちが選び、この中から最終的な大賞が決まるんです。
単純な投票だけでなく、様々な要素が総合的に判断されるのが特徴です。
日本レコード大賞を決める選考委員の構成
選考を行うのは、以下のメンバーです。
- 各新聞社の音楽担当記者
- TBS関係者
- 音楽評論家
- 音楽プロデューサー
音楽業界の様々な立場の人たちが集まって判断を下しています。
でも、選考委員の年齢層が比較的高めという指摘もあるんです。
日本レコード大賞を決める最終選考
優秀作品賞に選ばれた曲の中から、選考委員による投票で大賞が決定されます。
ただし、ここで重要なのは、単純な投票数だけでなく、様々な要素が総合的に判断されるということなんですね。
レコード大賞ってどんな賞があるの?
レコード大賞には、実は大賞以外にもいくつかの賞があることをご存知でしょうか?
実はレコード大賞には、みんながよく知っている「大賞」以外にもいくつかの賞があるんです。
主な賞をご紹介します。
- 日本レコード大賞
- 優秀作品賞
- 新人賞
- 特別賞
- 優秀アルバム賞
色々な賞がありますね!
まず「優秀作品賞」。これは年間約10作品が選ばれ、この中から大賞が選ばれます。
次に「新人賞」。その年にデビューして特に活躍が目立った新人アーティストに贈られる賞です。
それから「特別賞」。これは長年の功績や特別な活動が認められたアーティストに贈られます。
さらに「優秀アルバム賞」もあって、その年発売された優れたアルバムが選ばれます。
これらの賞によって、様々な角度からアーティストたちの活躍を評価しているんですね。
日本レコード大賞の審査基準とは
公式に発表されている審査基準は、大きく5つあります。
まず「作曲、作詞、編曲を通じた芸術性」。次に「独創性や企画性の高さ」。そして「優れた歌唱力」「大衆からの強い支持」「その年を代表する作品性」です。
オフィシャルで公開されている日本レコード大賞の審査基準はこちらです。
審査基準
日本レコード大賞
作曲、作詩、編曲を通じて芸術性、独創性、企画性が顕著な作品とする。
優れた歌唱によって活かされた作品で大衆の強い支持を得た上、その年度を強く反映、代表したと認められた作品に贈る。
審査対象は「優秀作品賞」に選ばれた作品とする。最優秀アルバム賞
「優秀アルバム賞」の中で、最も芸術性、独創性に優れ、その年度を代表したと認められたアルバムに贈る。
最優秀歌唱賞
優れた歌唱によって、その楽曲を最も的確に表現し、さらに高めた歌手に贈る。
最優秀新人賞
「新人賞」の中で、最も優秀と認められた歌手に贈る。
日本作曲家協会奨励賞
対象年度を含めて活躍し、魅力的な歌唱で大衆の支持を集め、存在感を高めている歌手、又は次世代を担うと期待される歌手に贈る。
作曲賞・作詩賞・編曲賞
それぞれの分野で特に独創的、且つ優れていると認められた作品の作者に贈る。
優秀作品賞
大衆の強い支持を得、芸術性、独創性、企画性に優れ、その年度を反映したと認められた作品に贈る。
優秀アルバム賞
芸術性、創造性に優れ、その年度を代表したと認められたアルバムに贈る。
新人賞
対象年度内において初めて顕著な活動をし、大衆に指示され、将来性を認められた歌手に贈る。
企画賞
独創的な企画意図をもって制作され、それによって顕著な成果を上げ、音楽文化の発展に大きな貢献をした作品に贈る。
功労賞
長年にわたり音楽活動を続け、音楽界に多大な貢献をされた人に贈る。
特別賞
社会的に世の中を賑わせ、注目された人、作品などに贈る。
引用元:日本レコード大賞 実施要項
でも、これらの基準はかなり抽象的なんです。
例えば、
「大衆からの強い支持」って、具体的にどうやって判断するの?
CDの売上?
それともストリーミング再生数?
SNSでの反響?
実は、そういった具体的な判断基準は明らかにされていないんです。
レコード大賞の審査基準がおかしいと言われる理由
近年、レコード大賞の審査基準に対して、様々な疑問の声が上がっています。
例えば、2023年にYOASOBIの「アイドル」が年間チャート1位を獲得したのに、優秀作品賞にノミネートすらされなかったことが大きな話題に。
テレビ出演を控えめにしているアーティストが選考から外れる傾向があるという指摘も。
さらに、選考委員の年齢層が高めで、若者に人気の音楽を適切に評価できているのかという疑問も。
こうした問題は、音楽の楽しみ方が多様化している現代において、レコード大賞の評価基準が時代に追いついていないのではという議論を呼んでいます。
まとめ:これからのレコード大賞に必要なこと
確かにレコード大賞は、長年の歴史と伝統を持つ権威ある音楽賞です。でも、時代とともに音楽シーンは大きく変化しています。
CDの売上だけでなく、ストリーミングやSNSなど、音楽の楽しみ方は多様化していますよね。
そんな中で、レコード大賞も変わっていく必要があるのかもしれません。
例えば、選考基準をもっと明確にしたり、若い世代の意見も取り入れたり、テレビ番組の制約にとらわれない選考方法を確立したり。
でも、だからといってレコード大賞の価値が完全になくなったわけではありません。
むしろ、この賞がより良い形で存続していくために、私たち視聴者も、単に「おかしい」と決めつけるのではなく、どうすれば日本の音楽シーンをより良くできるのか、一緒に考えていく必要がありそうです。
音楽を愛する者として、レコード大賞が時代に合った、より意義のある賞として発展していくことを願わずにはいられませんね。